演奏家が欲しい物は演奏の場ではなく、演奏して対価がもらえる場である
最近思うんですけど、日本ってかなりの成長国であり、先進国であることは間違いないとおもうんですが、それ以上に色々な面でものすごく優遇というか、すごく良い条件の揃った国だなって思うんですね。
例えば、電車や電気、水道、ネット回線などのインフラ設備などはどこの街に行っても誰でも平等に使えますし、道路や電車、飛行機などの移動インフラもとても整っていて、日本全国どんなところにでも行くことができそうです。
今はIT技術の恩恵が非常に大きい時代、フリーランスが特に多くなっていく時ですから、どこに住んでいても一定のサービスを受けられるこの国の状況ってかなり整っているなって思うんです。
他にも犯罪率が少ないことは子育てや安心して住むことにとても嬉しい事です。
アメリカのニューヨークだと強盗に遭うことは日常茶飯事であり、かの有名な教授こと坂本龍一さんは、住んでからしばらくして、強盗に遭うそうですが、玄関先に少し高めのものを置いて、まあ、強盗がそれ持って帰ってもらうためのデコイですけど、本人は2階にいたため、実質被害はデコイのみで住んだそうです。
そして、その被害にあってから、隣人から
「よーこそニューヨークへ」
って歓迎されたそうです。
つまり、そういう強盗に遭うことが日常的な街であるということの象徴でしょう。
最近何かと話題の国外へ脱出を図ったゴーン氏ですが、彼も日本の国土に治安について語っていたそうです。
逮捕されて、一時保釈された時に、色んなメディアがゴーンさんについて悪く言う雰囲気が漂う中、恐らく本人は日本国中の人から、石でも投げられるような、そんな気持ちになっていたことでしょう。
ところが、実際にゴーンさんに接触する人でそんな人はいなかったらしく、むしろ、私は応援しています!頑張って下さい!!って言ってくれる人がいた事にとっても日本の国民に対しての素晴らしさを感じたそうです。
そして、ゴーン氏は日本の治安の良さは司法や警察のシステムが機能している事以上に、ひとりひとりの日本国民の意識レベルでの人としてもレベルがとても高いみたいな、そういう事を言っていたそうです。
つまり、国民全体の道徳レベルが高いから、誰かをよってたかって、避難したり叩いたりする人が少なかったということだと思います。
ですが、既存メディア一部のネット界隈を見渡すとものすごくゴーンさんへのバッシングが激しいじゃないですか。
ですが、良識のある弁護士先生方から見ても、あの検察の態度やメディアのバッシングについては非常におかしいよねって感覚みたいです。
つまりは推定無罪で進められていくはずの司法において、容疑者として検察はゴーンさんに奥さんやご家族との面会も断絶させて、勾留し続けてたんですよね。
これは欧米諸国で考えるとありえない感覚だって聞きました。
それだけ日本の検察の仕組みが非常に前時代的でかつ裁判官という存在も中々公平に裁かれているとは言い難い状況であはあるようです。
勿論、殺人や強盗などはっきりとした事実が見受けられる犯罪についてはそれほどでもないようですが、詐欺や痴漢、先の金融取引系とか、後は民事だとモラハラ等におけるハラスメント問題については非常に立証も難しい為、世論や時勢に流されたり、権力者側の恣意的な判断に流れていく傾向は否めないみたいですね。
そうはいいつつも、司法システムは腐敗が見えるとは言え、国民一人ひとりの意識によって素晴らしい治安をもたらしている日本は教育もやはり一定以上のレベルを保っていますよね。
一時期からみて数学のレベルが落ちたとか色々と騒がれていますが、国民の識字率や様々な教養的な観点から見ても、日本の教育レベルは非常に高いと言えます。
そしてその際たるは音楽教育です。
勿論ある種の問題点は大いに孕んではいるものの、ある一定レベル以上の演奏家を育てている事には成功していると思います。
ある一定レベル以上のとは、つまりは楽譜を読んでそれを再現する能力という事です。
逆に言うとものすごい数のそれらの高いレベルでの能力を持った演奏家達が毎年排出されているんです。
ところが、それらの大学を経た先の受け口があまりにも少ない為、演奏家を目指して音楽大学まで通った人の大半はその夢を絶たれることになるわけです。
一般的に自称を含めてミュージシャンと言われる人の平均年収って実は10万円って言われているんだそうです。
年収ですよ?
月収10万でも低いですし、生活は出来ないですよね。
ってか、食べすけど、普通に自称でなくて、自他ともに認めるって考えてもミュージシャンの平均収入は極めて低いと思われます。
なので、彼らは演奏が好きですから、よく演奏の場が欲しいと思われがちなのですが、その実、彼らが本当に欲しいものは、演奏して対価を得られる場なのですよね。
これを勘違いしたり、あるいは上手くミュージシャンの心理を読み取って使っている人は演奏家達を安い賃金で、あるいは無償にて演奏させて、自分は利益を得ていたりする訳です。
これがミュージシャン気質の悲しい所で、確かに演奏する場、聴いてくれる人がいる場というと、やはりそこは枯渇している部分が無きにしもあらずなので、呼ばれたら出ていって演奏してしまうんでしょうね。
なんだったら、お金を払ってでも演奏したいって人が居るくらいですから、なんとも難しい世の中だと思います。
経済的価値と、実際的な価値というのは相関しない部分ってありますが、音楽的資質ってまさにそうですよね。
非常に優れた、素晴らしい技術を持っていても、それを経済活動に変えられる術がものすごく狭き門だったり、限られていたりして、結局はその優れた技術が夜に広まること無く、埋もれてしまうという。
それを解消しようと考えられたのが前田裕二社長率いるSHOWROOMなんですよね。
SHOWROOMは投げ銭システムを採用されていて、演奏する人とそれを応援する人をつなげるサービス。
実際に前田裕二さんが学生時代に自身がストリートミュージシャンをしていた経験から感じたことを元に作られたそうです。
前田裕二さんは昨年あたりからメモの魔術などの書籍を出されてメディアなどにも顔を出していて、とっても大活躍されています。
他にもTik Tokとか、ライブライバーとか色んな投げ銭システムのサービスが立ち並んでいます。
それでは、これらのサービスの到来によって、自称含めたミュージシャン達の優れた技術が経済活動に変換されて対価を得られるようになるのでしょうか?
うーん、それはすごく微妙な気もします。
これは、なぜかというと、高い演奏技術を持っている音楽家が同じように高いITリテラシを持っているとは限らないからです。
そして、演奏家たちは、ネットでの交わりよりも、どちらかというと、リアルな交友関係を好む傾向にあるのかなとも思います。
なので、もう少し次世代、次の世代になって、スマホだけでなく、You Tubeを使うのがブログを書くこと以上に一般に浸透するくらいにならないとそういった世界は実現しないのかなと思いました。
今日はそんなところです。