定時で帰る新人に対して快く思わない上司の話
先日ツイートで「なぜイマドキ新入社員は定時で即帰ってしまうのか」という記事に対して、定時だからって秀逸なツイートがあったのですが、それ見てつい確かに!って思ってしまったので、それについてちょっと深堀りしてみようと思います。
まず、これを見た時に残業を前提として仕事を組み立てている会社とそれを良しとしている世間的なイメージと洗脳から、最近の若者達はようやっと抜け出してきたんだなって言う感じに思いました。
そう、そもそも、残業って残った業務なのですよ。
つまりは本来は、定時時間内で仕事は終わらせるのが本筋で、それを超えるような仕事の仕方や取り組み方、量などは本当は見直さなくてはならないものなんですよね。
そして、更に言うならば、その残業、本当に必要なのでしょうか?
多くの場合、サラリーマンとして残業している業務の9割と言ったら言いすぎでしょうか?それくらいの残業が無くなっても世の中ちゃんと回ると思うんです。
一部のクリティカルになっていまうようなインフラ関係のお仕事とか、そういう会社以外での残業など、結局はその会社に所属している上役だったり、取引先の機嫌によって発生しているに過ぎないと僕は思います。
まあ、そんな感じでこの記事を読んでみましたが、週刊ダイヤモンドのオンライン記事ということで、まあ、いわゆるおじさん層がターゲットなので、そちらに向けられて書かれたからなのか、はたまた、書いている人自身が矛盾に気がついてないのか、色々と気になった点があるので、この記事内で述べられている事について取り上げてみたいと思います。
まず、最初に定時で帰る人をネガティブに捉える上司と早く帰りたい新人みたいな構図を作って、なぜ新人が早く帰るか?と、新人が定時で帰るのは悪いことなのか?という問題提起がされています。
しかし、次の段落で既にこの構図が崩れていて、まあ、言いたいのは新人が早く帰るのは悪いって側からの一方的なお話になってしまっているんですよね。
一見最初に提示していたもんですから、フラットな感じで書かれているのかなと期待しましたが、秒速で覆されました!
まあ、それはさておき、最初の2つの疑問について僕なりに言わせてもらえれば、新人が早く帰るのはその会社及び業務、現場に魅力が無いからです。
人、仕事内容、会社、そのどれにも魅力を感じないから新人はその場から一刻も早く離れようと考えます。
そして、それは全く悪いことでは無いと僕は考えます。
さて、次の段落の見出しで覆された直ぐ下にこう書かれています。
「決められた時間の中で、(←この句点分からない)業務をこなす。こういったアルバイト感覚、学生感覚~(云々かうんぬん)」
と述べられていますが、決められた時間の中で業務をこなすのって普通ですよね?
そして、定時刻を迎えたら帰る準備をするのって、アルバイト感覚、学生感覚だと言っていますが、これって全国の公務員さん達をめっちゃ馬鹿にしていますよね。
だって、お役所勤めの公務員さん達は、5時の定時前の4時半から既に様々な業務を打ち切って、終了する準備に入り、定時5分前にはきっちり机の上はまっさらにして、中には椅子を上にあげて帰っていく所もあります。
これ、この記事を書いた人の感覚からすると、アルバイト、学生感覚ってなりますよね。
まあ、公務員と会社員は違うって言ってしまえばそうかもですが、なんか、この言い回しがちょっと僕には引っかかりました。
なにかお手伝いすることはありませんかの一言が言えないって言い方もなんだかちょっとなぁと思います。
2ページ目に若干考察が書かれてますが、割とちゃんと冷静に書かれているようで、根本的な部分がやっぱり前時代的な考えに基づいているなぁという印象が否めません。
新人が帰りたいのは所属意識がない、とか会社がアウェイだとか、言ってますけどその前にそもそも明るい未来を感じられないのですってちゃんと言ってるじゃないですか。
明るい未来を感じられない場所に所属意識とかホーム感って持ちたいですかね?
この記事では若者のホームはインターネットの世界であり、現実ではない的な言い回しをしていますが、そもそも、ネットだろうが、現実世界だろうが、明るい未来が見えない所には人は寄り付きたいと思わないですよね。
それなのに、明るい未来が見えない場所に居続けないと所属意識は生まれない!って言い続けてますが、なんだか、え?牢獄に所属意識持ちたいの?って思ってしまいます。
さてさて、お次の3ページ目で若者が社風に馴染めなくて辞めたって言う例を上げてますけど、いやいや、社風に合わないんじゃなくて、さっきご自身が言っていた明るい未来が見えない所だから辞めた訳ですよね。
でも、この会社では未来が見えないって言えないから、会社に馴染めないとかそういう曖昧な理由を作る訳じゃないですか。
それで、そもそもなんですが、残業って会社の為にも社会のためにもするべきじゃないと思うわけですよ。
お金なんか別にいらないから自分がこれをやりたいんだ!って言うならまたちょっと話が変わってくると思いますが、そうでないなら、定時内で終わらない仕事って、やり方や量や仕組み、色んな何かに問題がある訳で、それってその仕事の責任者がどうにか変えて時間内に終わらせるようにするのが仕事じゃないですか。
それが管理じゃないですか。
でも、管理職が働かないで済む仕組みとして残業って仕組みがある訳で、つまりは一部の会社の管理職が怠けてるって感じですよね。
そんでもって、その残業を是とするために、世論的な風潮を若者は残業しないからダメだって言おうとしているような感じがします。
この記事では会社も居場所にするためにはって言ってるんですけど、それってそもそもが個人が無理やりやることじゃ無いんですよね。
居場所って自然と出来るもんじゃないですか。
だからね、新入社員が寄り付かない会社って、それだけでものすごく魅力がない会社だって事なんですよね。
定時で帰る新人をトンデモ社員って揶揄してますけど、僕に言わせれば、多くの残業を暗黙的に強いる魅力のない会社こそ、トンデモ会社だと思います。
トンデモ社員をすぐに見限ってはって言ってますけど、いやいや、寧ろ逆なんですよ。
若者たちに、今のトンデモ会社とトンデモ老害達は見限られているんですよね。
最後に面白いなって話で、検索で「定時で帰る 新人」でググってみた時に、トップに出た記事が「定時で帰る新人ほど、人生で成功する可能性が高い」って記事で、その次がこの件の記事でした。
なぜイマドキの新入社員は定時で即帰ってしまうのか?
定時だからでしょう。
その通りですね。
定時で帰るなって言うなら、そもそもの定時ってなんだよって話ですよね。
入り口良くして入ったら地獄で出られないってメタルマックスのデスクルスかよ!って思っちゃいました。
みんな、ドラム缶押してるんですよね。
そうそう、将来的にベーシックインカムが導入されて、強制的に働かなくても良くなったら、僕はドラム缶を押しに来る人がいるみたく、いままでくだらない、つまらないって思っていた仕事を再びしに来る人がいると思います。
なので、ベーシックインカムは別に会社や世の中の仕組みを破綻させることはなく、働きたいと思う人が自発的に仕事をするようになるので、逆に全ての仕事が効率的になっていくと思っています。
今日はそんなところです。