ミキシングとマスタリングって何が違うの?って話 気まぐれDTM
DTM界隈の話を見ていて、よく耳にするのが、マスタリングとミキシングって何が違うの?って事をよく聞きます。
っというのも、ミキシングもマスタリングも使うツールはミキサーで共通していて、それぞれの解説しているサイトでは前提としてミキシングとマスタリングの違いが分かっている事前知識がある感じで説明されているので、今更ながらそれについて説明しているサイトが少ないのかなと。
ようは、初心者の方が曲を作っていて、アレンジするのにミキシングについて調べていったら、今度は曲が完成した後にマスタリングって作業が必要みたいだぞってなるじゃないですか。
それでマスタリングについて調べるんですけど、
「あれ?これなんかミキシングでやってたことをちょっと似てない?」
ってなる訳です。
なので、新米DTMerの方の中にはミキシングとマスタリングがごっちゃになっている方も少なくないように思いますので、今回はその違いについて簡単に喋ろうかと思います。
さてさて、ミキシングとマスタリング。
どちらもミキサー卓を使ってEQやらコンプやらを使ってバランスを取りますが、そのバランスを取る対象が違うのです。
ミキシングは、1曲の中で、複数のトラックのバランスを取って、聴きやすい状態に仕上げるのがミキシングと言います。
マスタリングは、複数の曲を一つのアルバムに収録することを考えて、それぞれの曲どうしが喧嘩しないように、曲順なども踏まえて、一つの世界観に集約出来るようにバランスを取るのがマスタリングな訳です。
なので、マスタリングは複数の曲、ミキシングは複数のトラックのバランスを取るという訳です。
なので、ミキサートラックに割り当てられているコンテンツの種類が違うんですね。
ミキシングだと各楽器の音がトラックに割り当てられますが、マスタリングでは各楽曲がトラックに割り当てられる訳です。
そんでもって、マスタリングは最終的に製品としてオーディエンスに聴いてもらいやすいように音圧を上げたり、音をスッキリさせたりなどの調整を行う訳です。
まあなので、1曲の中でマスタリングと思って作業している事って実はミキシングなんですよね。
でも、音を全部WAV化して、最終ミックスを作る前段階のバランスを取るミキシングの事をマスタリングって言っている人も居なくも無いですね。
昔、ソニーのVAIOに標準装備されていたソフトでSonicStageMasteringStudioってのがありましたけど、あれ、その当時では割とよく使ってました。
楽ちんだったので、自分で作るCDを書き出す分には全然これでいいやって感じでしたね。
今そう思うと、ソニーも一時期マックブックに負けないぞと言わんばかりに遊びっ気のあるPCを作っていましたよね。
VAIOブランドも確立されて来たかと思ったんですが、どこかしら振り切れなかった感というかなんでしょうね、もうちょっと遊び側に完全に振り切ってくれれば、もしかしたら、今も現役で活躍出来てたりしたんじゃないかなとかちょっと思います。
当時はデザインだったらMacかVAIOかって感じの雰囲気はありましたけど、ソフト側ですよねきっと。
音楽面でもオックスフォードVSTを導入していたりとか色々と果敢な挑戦はされていたんですよね、惜しい事をしたと思います。
さてさて、そんなミキシングですが、一体どうやったら上手になるのか?って思いません?
いやー、僕も常日頃思います。
ですが、ギターを弾かない上手くなりたいとかって無理ですよね?
そう、ミキシングも実際に手を動かして耳で聴いてってのを繰り返すしか無いんですね。
ですが、何が正しいかが分からないから、一体どういう練習が良いのかってあんまり書いてないですよね。
なので、一昔前に一流エンジニアの方がやっていた習慣というのをご紹介します。
一流エンジニアの習慣といっても難しいことはありません。
その方は、毎日レコーディングが行われる数分の間に、全ての楽器におけるマイクのバランスを短時間で取らざるを得ない状況にあったそうです。
そこで培われたのが、
「短時間で軽く全部の楽器のバランスを取る」
ということを習慣化して行うと、自分の中のある種の基準みたいなものが出来上がるんだそうです。
しかし、それと同じ状況をDTMerのみなさんが実践出来るかというと、そんなマイクを全部バランス取る環境って無いじゃないですか。
だから、安心して下さい。
それをDTM上で簡単に再現する方法を考えました!
まずは1曲完成された曲を用意します。
出来ればバンドサウンドみたいなドラム、ベース、など複数の楽器の音がある曲がいいと思いますが、自分の最終的な曲のスタイルがあると思うので、それに一番近い構成の曲を用意するといいと思います。
(例えば、弾き語りしかしないって方は、もう歌とギターとパーカッションがあるかないかの2トラック、3トラックとかだけでいいと思います。)
そして、全てのフェーダーをリセットし、ボリューム、パンを全部デフォルトにしておくのです。
んで、そのDAWファイルを一つテンプレートとして保存しておいて、毎日そのテンプレートを使って、自分で10分とか時間を決めてその時間内に終わらせるようにミキシングをしていくのです。
そう、時間制限を決めます。
もし10分が難しければ、最初は20分とか30分とか慣れるまでかかるかも知れません。
ですが、時間がかかると毎日やるの大変ですよね?
なので、とりあえず毎日10分終わらなくてもいいから、フラットの状態から作り上げていくという作業を繰り返すんです。
毎日、毎日、昨日の続きではなく毎回がフラットな状態からです。
そうすると、段々と慣れてくる部分が出てくるのでバランスを取るのが早くなるはずです。
そして、1曲を10分である程度簡単にバランスを取れるようになったら、今度はそれを吐き出して、3日後とか1週間後に聴くようにするそうです。
バランスを取った直後とか翌日だとまだそのバランスを取ったイメージが残っているので、客観的な判断が出来ないので、3日とか1週間とかある種忘れた頃に聴いてみると、意外と失敗したかも?って思ってたバランスが良く聴こえたり、反対にこれはいい感じだろう!って思ってた所が、逆に聴きづらくなっていたりするのが客観的に分かるようになります。
この感覚が養われてくると、ミキシングの基準値みたいな物が出来上がってきた証拠です。
後は、毎日やっている10分間ミキシング以外に普通に自分の曲が出来たらミキシングしていくと、驚くほど早く、そして迷わずにある程度のところまで完成させることが出来るはずです。
また、この感覚が出来た後に、既存の曲、それまでに過去作ってきた曲を改めて自分でミキシングし直すと、これがホントのリミックスじゃないですけど、すごくいい感じになったり、或いは意外とその当時のミックスがそのままでも良かったりということに気が付くことが出来ます。
これやると本当に耳もミキシングのやり方とかも板に付いてくれるので、すごくオススメです。
そして、この耳と感覚を持って他の曲、自分以外の曲とか巷に流れている曲を聴くと、そのミキシングの凄さ、バランスの絶妙さに気が付くはずです。
そうすると、今度はその手法を自分の曲でも取り入れたくなり、どうやったらそれが実現できるか?という試行錯誤が始まり、またまたより自分のミキシング能力が上がっていく訳です。
別にミキシングエンジニアになりたい訳じゃないからそんな事しなくていーよって思う意見もあると思いますが、最近はアマチュアだろうがプロだろうが関係なくよりハイレベルな音楽が誰でもどこからでも発表出来るようになっています。
そんな中でもより自分の作品を多くの人に知ってもらいたい、聴いてもらいたい、そして、いい曲だなって共感してもらいたいという気持ちが少しでもアレば、やってみて損はないと思います。
今日はそんなところです。
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