GOTH 鬼才乙一氏の傑作小説!!
乙一さんって作家さんを皆さんはご存知でしょうか?
失われる物語とか、ZOOとかが有名なところでしょうか?
結構グロテスクな描写の多い物語の場合と、少し切ないような雰囲気な物語の場合と結構両極端だったりもします。
僕は暗黒童話とかが、かなり好きです。
夏と花火と私の死体で鮮烈なデビューを果たした乙一さん。
名前の由来は使っていたパソコンのZ-1からだそうな。
確かジャンプの小説企画か何かで大賞を取ってデビューしたと思うんですが、なんと同じくデビューしている作家さんがなんとあの村山由佳さんです。
天使の卵シリーズやダブル・ファンタジー、もちろんコーヒーシリーズも好評ですね。
僕はそんなお二方を、週刊少年ジャンプの時々ある、漫画と漫画の間の広告ページみたいな所で、挿絵と一緒にこの二人の名前をよく目にしていたのですが、実際に小説を手にとって読んだのは大分あとになってからでした。
今日はそんな乙一さんの僕の中でも最高傑作とも言える、GITH~リストカット事件~について語りたいです。
ネタバレはしたくないので、ご安心して下さい。
この本は先にもありましたとおり、けっこうグロテスクな描写がある方の物語でもあり、そういう描写に嫌悪感がない方にこれをオススメします。
ですが、不思議なんですけど、乙一さんの描くグロテスクな描写って、一読すると、ものすごくグロテスクにも感じられるのですが、その実、よくよく読んでいると、淡々とその描写を言い表しているに過ぎなく、ともすれば、その様が綺麗な何か芸術品をいいあらわしているかのようにも見えてくるのです。
なので、最初は抵抗がある方も、もしかしたら、読み進めているうちに、段々と慣れてくるというのか、さらっと読み進めてしまえるんじゃないかなって思うんですね。
そして、この人のそういう描写がなぜかさらっと読めてしまう所に、どこか狂気と正気の境目みたいなものがない、そういう描き方をされているんじゃないかなと、或いは作者である乙一さんもしくは乙一さんの描く登場人物の視点に、そういった、狂気的なモノがないんじゃ無いかなって思うのです。
つまり、作者自身が狂った気持ちの悪いものを書いているという認識ではなく、単にそのモノ、そこにある描写を言い表すに徹しているのかなと。
そして、ある種のその中の真理とも言える部分を抽出して小説として書き上げられているからこそ、残酷な描写も時として、朝起きて顔を洗う人を表すが如く、自然に表されているように思うのです。
まあ、でも、時として残酷な描写は不快を催すこともあるとは思いますので、あまりそういう事に頓着無く小説を読める方にだけこれはオススメすることにします。
そんな乙一さんのGOTHですが、これは漫画にもなってたり、ドラマか映画にも確かなってたのかな?まあ、他のメディアにもなっていたので、割と既に知っている人もいるかもなのですが、このGOTHのすごさというか、面白さはぜひまずは漫画や他のメディアを見る前に、一番はじめに小説で体験して欲しいって思います。
漫画は非常にうまい感じに描かれているなぁって思ったのですが、それでも、この衝撃はストーリー展開と共に、ぜひファーストインパクトは小説で味わった方が絶対的にオススメなのです。
何が?って事を書いてしまうと、これはネタバレになってしまうので、そもそもこのGOTHに限らず乙一さんの作品は、ネット上でもネタバレが結構多いので、あまり検索して見ない方が楽しめます。
夏と花火と私の死体も、割と検索上位にネタバレの文章がググったページに表示されたりもしますので、もしお買い上げの際はAmazonなどで直接検索してご購入されるのをオススメします。
そう、この乙一って人の小説はギミックが楽しいです。
残酷な描写を自然に読ませるテクニックと、風に吹かれたら飛んでいってしまうような薄いヴェールに包まれているようなちょっとした切なさ、普遍的価値感への疑問と読者への投げかけ、普通と普通ではない事の違いなど、そして、ギミック。
これらが乙一作品の魅力でもあり、真骨頂とも言えます。
暗黒物語もこのギミックが最後にハマるのがとっても楽しいです。
認識のズレ、それを物語を通して理解した時に、ドミナントからの解決を得るが如く、読者は高揚感と安堵にのたうち回るのです。
まあ、ようは、物語としても素晴らしいし、とにかく小説として、他にもこういうギミックを駆使した作家さんも居たとは思うのですが、乙一さんはとても読みやすいので、そういう意味でもとってもオススメな方だと言いたいのです。
GOTH、久々にさらっと読んでみましたが、やっぱり、ドンドンついつい読み進めてしまいますね。
いつ読んでも、何度読んでも面白い。
そんな物語がGOTHにはあります。
おっと、全くGOTHのキャラクターや舞台設定については何も話していませんでしたね。
ではでは、それはぜひお手にとって、読んでみてからのお楽しみにしておいて下さい。
小説が好きな方も、本は普段あまり読まないという方も、グロテスクな描写に多少の耐性がある方全てにこの本をオススメします!!!
とっても面白いです!!
GHOTH~リストカット事件~
短編が繋がったお話なので、忙しい方にも最適です。
星新一ほどショートショートではないですが、1偏が30ページ~50ページ、最後のエピソードだけ100ページくらいのボリュームがありますが、まあ、そんなに多くはないと思いますので、本を読むのが苦手な方でも1時間あれば、1つのエピソードは読めてしまうと思います。
GOTH~リストカット事件~、以上オススメをお届けいたしました!!!
今日はそんなところです。

GOTH【3冊 合本版】 『夜の章』『僕の章』『番外篇』 (角川文庫)
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