南総里見八犬伝、名前くらいは聞いたことあると思いますが、八犬士と呼ばれる犬の字が付いた、苗字の剣士達が活躍するお話。
犬塚信乃、犬川荘助、犬山道節、犬飼現八、犬田小文吾、犬江親兵衛、犬坂毛野、犬村大角の八人の剣士の物語ですが、実は最初の方は八犬士は出てきません。
南総里見八犬伝は滝沢馬琴もとい、曲亭馬琴が書いた江戸時代に流行った小説なんですね。
江戸時代に流行った小説といえば、里見八犬伝と並んで有名なのが、雨月物語で、どちらも妖怪やもののけの類が出てくるお話です。
僕が小学校の頃、授業では滝沢馬琴と習いましたが、最近では曲亭馬琴というのが正式名称らしです。
どうやら、元々は南総里見八犬伝は著者、曲亭馬琴と書かれて刊行されていたそうなのですが、明治以降の文学者達がこぞって夏目漱石、坂口安吾など本姓+書名で名乗っていた名残りを受けて、曲亭馬琴も本姓の滝沢と曲亭馬琴の馬琴がくっつき、滝沢馬琴という名称で呼ばれるようになったそうです。
さてさて、そもそも学校の勉強で習う前から実は僕は八犬伝について知っていたのですが、それがなんと、ファミコンであったんですよ!
黄色いカセットで、覚えている人って居ますかね??
んで、今でもフィールド音楽と戦闘のテーマは覚えている位、耳に焼き付いていて、げんぱちが強いってイメージだけファミコンの記憶であります。
で、ファミコンで覚えた知識が勉強に出てきたもんですから、、、
まあ、覚えますよね。一瞬で。
そして、永遠に覚えてますよね。
そんなこんなで、ファミコン→学校の知識と僕の中を通り過ぎた八犬伝ですが、そっから更に、千葉へ海に行った時、八犬伝の里として、駅かどこかに石碑があって、そこにも八犬士の名前が刻まれてたりと、色んな所で八犬伝に会う事がありました。
で、僕は割と遅めの大学の途中にて読書に目覚めるのですが、八犬伝は全然読んでなかったんですよね。
まあ、昔の文体だから、読もうと手にとって諦めたのかも知れません。
今と違って、ネットもそんなに普及していなかった時代、どんな本があるのかとか、現代語訳があるとか全然知らなかったのと、図書館も検索とか出来なかった時代なので、まあ、その当時は出会うことが無かったんでしょうね。
RPGって言いましたよね?
発売元を改めて見てみたら、なんと、あのSNKだったんですよ!!
びっくりです。
餓狼伝説シリーズやKOF(キングオブファイターズ)シリーズで有名な格闘ゲームのSNKですよ。
最近はサムライスピリッツが新しく出るそうですけど、昔はカプコンかSNKかって派閥が出来たくらい、格闘ゲームといえば、SNKってイメージが強かったんです。
それが、2000年を超えてから、格ゲーの衰退もあってか、ほぼほぼ格ゲーとメタルスラッグというアクション、特にアーケードに主軸を置かれていたからか、ハードもネオジオが金額面で高いというデメリットもあってか、ネオジオCDは読み込みが遅いってのもあってか、ああ、色々と不幸が重なり、SNKは確か一回倒産しちゃったんですよね。
今調べたら、SNKは新(S)日本(N)企画(K)の略だったみたいですね。
そうなんですよ、餓狼伝説、龍虎の拳、KOF、サムライスピリッツと当時はカプコンを凌ぐ勢いで格ゲーと言えばSNKだったんですよ!!!
そのSNKがなんとファミコンで南総里見八犬伝を作っていたというのを知って、驚きの衝撃だったのです。
SNKと言えば、当時格ゲーの勢いでイケイケだったからか、お台場にネオジオワールドなるテーマパークを展開させてましたね。(2年で潰れてしまってましたが、、、、)
SNKの話で寄り道してしまいましたが、そんな八犬伝を最近ふと読んでみようと色々と調べてみたんですね。
そしたら、結構色んな訳版が出ていたり、漫画版もいくつかあったり、そして岩波で原文のもありましたが、もっとよく調べてみると、八犬伝の良さはその挿絵にもこだわりがあるとかなんとか。
んで、確かに調べてみると、押絵で見る八犬伝みたいな書物もあったり、馬琴は挿絵にも細かく指示を自ら出していたり、実はカラーだったりとなんとまあ、色んな話が尽きない八犬伝。
元々は2~3年で書き終えると当初の予定では見ていたようですが、実際には28年も書き続けられました。(その間、板本(出版元)も2回変わったそうです。)
そんな晩年の馬琴のライフワークとも言える、八犬伝の冒頭、彼がどのようにして南総里見八犬伝を書くに至ったかが、語られます。
そのエピソードがまた面白い。
そして、登場人物がそれぞれに紹介され、あらかたの人物の相関関係とあらずじが描かれますが、これがまた面白い。
この設定を読んでいるだけでも、ワクワクしてくるんです。
さらに引き込まれるように、物語へ続くともう読んでいて、その世界観が頭の中に蘇り、最初はあらすじからあまりいい印象を受けてなかった、里見義実がなんかすっげーカッコいいんですよ。
で、最初の冒頭で馬琴は、読者に対してちゃんとこれは史実ではなくフィクションだよって言っていて、でもフィクションだけど、中国史とかの物語を参考に作っていくよって言っているのがまた良くて、設定とか逸話とかそういうのが練り込まれているんだなってのがすごい伝わってくるのです。
そういえば、昔、いつかNHKの大河ドラマで八犬伝やらないかなって思ってたんですよね。
八犬伝は妖怪とかファンタジーな要素があるので、中々実写化するとチープになりそうなんですが、近年、ファンタジーの描写もSHINOBI(甲賀忍法帖)あたりから結構カッコよくなって来たじゃないですか。
だから、妖怪変化の表現も行けるんじゃ無いかなって思って、それで映画とかの枠だと短すぎて表現出来ないだろうし、ドラマでもきっと足りないんじゃ無いかなって思ったら、ああ、じゃあ、大河ドラマじゃんって思ったんですよね。
単なる設定モノではなく、馬琴の中国史から持ってきた意味を含めた、人々に訴えたい気持ちを汲んだ脚本と構成で大河ドラマで八犬伝出来たら絶対に視聴率過去最高取れるんじゃ無いかなって勝手に思っています。
だって、物語が重厚、半分歴史、半分史実、時代物って部分で高齢者層が取り込めますよね。
んで、船虫の悪行による色気のある場面、憎愛ドロドロなエピソードから20代後半~40代あたりの層を男女ともに取れます。
そして、妖怪変幻との戦いや、殺陣などの激しいアクションでは10代から20代前半の若い層も見れるじゃ無いですか。
まあ、大河ドラマって感覚が古いのか、You Tubeプレミアムとかネットフリックスのオリジナルコンテンツとかでもいいんですよね。
要は、話を端折ること無く、最後まで出来る制限が少ない媒体でドラマ化されたら、この物語って絶対に面白いのになって思ったのです。
一回、全部読んでから構成を練って脚本書いてみてよーかな?なんてふと思っちゃったりしちゃいますね。
そんな魅力たっぷりの八犬伝をこれから楽しみに読んでいこうと思います。
全部読んだら、またその感想も書いていこうと思います。
或いは、読んでいる途中で、面白すぎて、なんか言うかもです。
今日はそんな感じでした。

八犬伝 ‐東方八犬異聞‐ 第18巻 (あすかコミックスCL-DX)
- 作者: あべ美幸
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/12/28
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る