サブカルアキバパパ

アキバ、サブカル、子育てについて語っていきます。


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絵本のメッセージ

自分が子育てをするようになって、積極的に絵本に触れる機会が増えるようになりました。

 

甥っ子姪っ子へのプレゼントとして絵本を探したりした時もありましたが、何よりも自分の子が産まれて、絵本の内容を理解するようになってからの方が断然、絵本を探したり読み聞かせたり、とにかく絵本との接触回数が増えたのは明らかです。

 

僕は元々小さい頃は本を読むのが好きではなく、2行読んだら眠くなると両親や姉達に言われて来たくらいで、ネバーエンディングストーリーの原作本を姉が買って来た時には、それを抱えて読んでみたのですが、いかんせん2行読んだら眠くなるもんですから、あんたには本当にネバーエンディングなストーリーだねぇと言われたりもしました。

 

ところが、ある時、祖母の家で見つけた、祖父か父の古い本、土居健郎著の「甘えの構造」を読んでからというものの、本が一気に好きになりました。

 

この「甘えの構造」は読んで眠くなるところか、面白くて面白くて、一気に1日も立たずに夜更かしして読みきった位面白かったのです。

 

そして、小学校の頃に自分が国語の問題の、特に随筆文が得意だった事を思い出し、今まで自分が読んでいたモノが自分に合わなかったんじゃないかということに気が付き始めます。

 

そして、通学途中の駅での乗り換えの時にたまたま駅構内の本屋で見つけた、ロバート・ハリス著「黒く塗りつぶせ」という本を読んで、一気に本好きに拍車がかかりました。

 

それまでは、姉が買って来たもの、父がこれを読めと渡してきたもの、学校で読みなさいと言われて買ったものなど、他動的な理由で手に取った本ばかりでした。

 

ところが、初めて自分が興味を持って、自分で選んだ読んだ本は、とっても面白くて、本ってこんな風に楽しいんだと思えたのです。

 

そして、齋藤孝著「理想の国語の教科書」の中に出てくる、坂口安吾の「風と光と二十歳の私と」を読んだ時に、小学校の頃に国語の問題で解いたことを思い出し、坂口安吾に関する本を図書館や本屋で探して色々と読みふけっている内に、坂口安吾がとっても好きになるのでした。

 

この時は主に日比谷図書館を使ってました。

 

あそこには、昔からの本や良書が沢山あって、本が立ち並ぶ雰囲気と書籍の匂いがたまらなく好きでした。

 

そして、純文学のような昔の本は図書館で借りて、最近出ている新刊は本屋で買って読むようになり、今では単純な読書量では両親や姉達を全然凌駕してしまいました。

 

あの時に思ったことは、押し付けられた本は絶対につまらないということでした。

 

なので、自分が子育てをするとなったら、絶対に押し付けちゃダメだと思いました。押し付けないで、自然と目につくようにするとか、目に触れる場所へ連れて行くなどして、あくまで、自分が選んだと思って手に取るように促さないと、押し付けになってしまうと思ったのです。

 

また、普段から僕は家でもどこでも本をよく読んでいたので、子供達はそれを真似して、全然本じゃないものを本に見立てて、僕の真似をして本を読んでいる風に座ってこっちを見たり、僕の読んでいるモノを覗きこんだりするようになって行きました。

 

これはいい傾向だなと思い、黙って見続けていましたら、今度は絵本の読み聞かせを沢山してあげるようにしました。

 

読み聞かせると言っても、そんなに家の中に沢山の絵本があるわけではないので、毎回違う本とならず、大体同じ本だったり、子供達がこれが好きと行って持ってくるので、割りと少ない本をローテーションしたりしてました。

 

しかし、これが幸いしたのか、上の子は、文字が読めないはずなのに、絵を見て、そこに書かれている文章を覚えてしまって、自分で絵を見て読み上げながら一人で絵本を読むようになったのです。

 

そうこうしている内に字も覚えて、自分で絵本が読めるようになって来たので、今度は図書館へ連れて行くようにしました。

 

図書館には沢山の読んだことのない絵本があります。

 

名著と呼ばれるロングセラーから、新しく注目されてきた絵本まで、それこそ本屋よりも沢山あります。

 

本屋だと、買ってあげるのに選ばせたり、渋ったりしちゃいますが、図書館ならば、どんな本を選んできても、とりあえず借りて読んでみようとなって、持ち帰れます。

 

そんな風に自分で絵本を選ばせていると、面白いことが分かります。

 

まず、僕なら絶対に選ばないだろうなという本を選んでいる時もアレば、僕が昔好きだった絵本を選ぶ時もあり、また、僕自身も子供にこれは読んであげたいなと思うものや自分が読みたいモノを選んでたりするのですが、そんな風に一緒に絵本を選んでいる中でも、注目している所が違うことや、僕は全く目に入ってこなかった本を持ってくるところが、非常に面白いなぁと思ったのです。

 

絵本には作者のメッセージが込められていると思います。

 

そして、そのメッセージは親が読んだら、大体こういうことを言いたいのだろうと直ぐに読み取ることが出来ると思います。

 

なので、その本を読んだ後の感想だったり、そういう話をする時に、どうしてもそっちへと誘導しがちになってしまうのですが、よくよく子供達の話を聞いていると、結構大人が予測していた事とは全く別のことだったり、違う視点、同じ事でもちょっとニュアンスの異なる表現で言っていたりして、これまた面白いなと思ったのです。

 

そして、そういう子供達の感性を見ている内に、これはきっとこの子達の感性を伸ばすには、自分で選ばせて、自分で考えさせ、そしてそれを褒める事を繰り返した方が良さそうだと思うようになりました。

 

また、絵本のメッセージが時に自分の心に突き刺さる時もあります。

 

そして、子供の感じたメッセージに、はっと気が付かされることもあります。

 

絵本は、文字だけの本のとは違った、面白さがあり、メッセージ性があります。

 

それは、絵による表現のメッセージです。

 

この絵の表現は、絵本だから子供向けとかそういったことではなく、大人にも響く、メッセージが込められていると思います。

 

本好きの人は、是非絵本にも目を傾けてみて欲しいと思いました。

 

絵本は決して子供向けに創られている訳ではないからです。

 

それを読み聞かせる親や大人たちへも著者達はメッセージを込めているからです。

 

絵本のメッセージが子供と大人と両方へ届いた時、きっと絵本の著者たちと交流したような気分になりそうです。

 

そして、それを親子何代もと続いたらなんだか素敵だなあと思い、まだ早いですが孫が出来たら、どんな絵本を一緒に読むだろうかなどと考えてみいたりして、ちょっとほくそ笑んでいます。